曖昧さ回避:人間は測定できるリスクを選びたい

曖昧さ回避:人間は測定できるリスクを選びたい

曖昧さ回避とは何かを選ぶときに確率が未知である選択を回避しようとする心理のことです。不確実性回避と呼ばれることもあります。

(※Wikipediaの意味が異なるのに同じ名前の記事を判別するためのページのことではありません)

分からないリスクよりも分かるリスクを選びたいという選好ともいえます。

耳慣れない言葉かもしれませんが日常生活の様々なシチュエーションで我々は曖昧さ回避をしています。

エルスバーグのパラドックス

アメリカの経済学者ダニエル・エルズバーグは論文の中で人がいかに曖昧さを嫌うかということを証明しました。

曖昧さ回避について理解するためには以下の「エルズバーグの壷」と呼ばれる思考実験が役に立ちます。

次のケースを考えてみましょう。

  1. ここに2つの壷があります。
  2. 壷Aには赤球50個と青球50個が入っています。
  3. 壷Bには赤玉と青球が合わせて100個入っていますが比率は不明です。
  4. どちらかの壷から1つ球を取り出したときに自分の予想した色だったら賞金が出ます。
  5. あなたはAとBのどちらの壷から選びたいですか?

おそらくほとんどの人がAの壷を選ぶはずです。

どちらを選んでも賞金がもらえる確率は同じはずですが人間は球の数が分かっているほうを選びたくなるのです。

このような葛藤を「エルズバーグのパラドックス」と呼ぶこともあります。

低金利時代でも固定金利を選びたい

曖昧さ回避は日常生活や金融取引においても頻繁に起こります。

例えば家を買うときの住宅ローンが良い例です。

どんな低金利時代でも変動金利と固定金利では総支払い額が確定している固定金利を選ぶ人がかなりの割合でいることからも分かります。

ちなみに過去の数値をみると変動金利でもそれほど大きくは変化していないことが分かっています。

人間は曖昧な状態での選択を避けようとする生き物なのです。

しかし冷静にデータを分析しないと期待値が低い選択をすることにもなりかねません。

参考文献:Daniel Ellsberg,(1961)Risk, Ambiguity, and the Savage Axioms

※人が曖昧さを回避する傾向を持つということはこの論文が出る前に既にジョン・メイナード・ケインズが指摘していたことでもあります。

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