傍観者効果の当事者になった実話。「殺される!」という叫び声に駆け付けたのは自分だけだった

傍観者効果の当事者になった実話。「殺される!」という叫び声に駆け付けたのは自分だけだった

実際の事件が元になって名付けられた心理学の効果は色々ありますがそれに遭遇することは滅多にありません。

なので本当にそんなこと起こるのか?と疑ってしまうこともあります。

しかし実際に自分が体験するといくつもの論文を読むよりも遥かに納得できます。

私自身いくつかの事件に遭遇したことがあります。

特に印象に残っているのは「助けて!殺される!」という女性の叫び声に駆け付けたのが自分だけだった事件です。

詳しい出来事は後述しますがそこで起こったのは社会心理学の「傍観者効果」です。

傍観者効果とは

知らない人のために傍観者効果について簡単に説明しておきます。

他の人がどうにかするだろう

傍観者効果とは「誰かが助けるだろうから自分じゃなくても良いだろう」と思ってしまう心理のことです。

助けを必要としている人がいると分かっているのに周囲にも人がいることで行動が制御されるのです。

責任の分散や大勢の前で恥をかきたくないという心理が影響していると言われています。

また「誰も動いていないということは緊急事態ではないのだろう」という勘違いが起こることもあります。

由来となったキティ・ジェノヴィーズ事件

傍観者効果の由来となったのは1964年にアメリカで起きた「キティ・ジェノヴィーズ事件」という殺人事件です。

ジェノヴィーズという女性が刺され叫び声をあげたのに誰も助けず通報もしなかったという事件です。

正確には一度刺された後で窓から誰かが女性を離すように怒鳴っています。

犯人も一度は離れましたが再び戻ってきてまた刺しました。そして車で去ったのですがまた戻り致命傷を負わせたのです。

犯人はなぜ2度も戻ったでしょうか?

犯人の証言によれば「発見者はすぐ窓を締めて寝るだろうと思った」からです。

この事件が報じられた当初は「都会の人は冷たい」などと言われていました。

しかし後の実験により周囲に大勢いたことで「誰かが助けるだろう」という心理が働いた可能性が示唆されました。

実際に30人以上が女性の叫び声を聞いていました。そして自分以外の人も気づいているということを認識していました。

これが傍観者効果の由来です。

「助けて!殺される!」という女性の叫び声

ここから私が実際に体験した傍観者効果についての話を書きたいと思います。

遠くの親戚で葬式があって自分は参列しなかったのですが家の留守番を頼まれていた時の話です。

田舎は葬式のとき誰か1人は家の中で待機するという風習があるのです。連絡要員と泥棒対策です。

それで1人で呑気に夕飯を食べていました。

そしたら「助けて!殺される!」という女性の叫び声が聞こえました。

その前から何か騒がしいなという気はしていたのですが…

ちょっと離れていたのではっきりとは聞き取れずにいました。

若者が騒いでいるのだろうと思ってたくらいで気にもしていなかったです。

しかしこの叫び声だけがボリュームが上がっていたのでハッキリと内容が分かりました。

方角的に近くの公園で何か事件が起こっているのかなと思いました。

それですぐに公園に駆け付けたところ男性と女性が掴み合いのケンカをしていました。

ちなみに公園の周辺には何軒も家がありましたが駆け付けたのは自分だけでした。

窓や庭先から覗いている人はいました。

公園に到着したときに最初に思ったのは「これが傍観者効果か!」ということでした。意外と冷静でした。

揉み合い中の二人は興奮状態で何とか引き離してもお互いに殴り合おうとするのです。

「殺される!」という叫び声から女性が一方的な被害者と思っていたのですが違いました。

男性の頭を抱きかかえるように庇ったら肩にその女性のパンチをくらいました。

なぜ男を守って殴られなきゃならんのだ!と思いましたが何とか二人を落ち着かせました。

浮気が原因の喧嘩

喧嘩の原因は男性の浮気でした。

しかもその前には女性も浮気をしていたそうです。

さらにその前には男性が…

男女にありがちなどっちもどっちな話を延々聞かされました。

さっさと別れろよと思いました。

その後どうなったか

最終的にどうなったかというと二人とも警察に行きました。

お互いに「相手が加害者で自分が被害者」という主張を繰り返していました。

なので警察に行けば自分の正当性が認められると思い込んでいるようでした。

ですからその後のことは警察に任せました。

何が傍観者効果だったのか?

今回のこの事件の何が傍観者効果だったと言えるでしょうか?

叫び声を聞いて駆け付けたのが自分だけだったということではありません。

公園に到着した瞬間はそう思っていました。

しかし後から考えると違う気がします。

誰も駆け付けなかったのは危機を感じたから

「助けて殺される!」という叫び声を聞いてすぐに駆けつけられる人はよほど強いかそうと勘違いしたバカです。

なので普通の人は近づきません。

つまり誰も現場に来なかったのは「誰かが助けるから大丈夫だろう」という心理が働いたのではなく危険と感じたからです。

じゃあなんでお前は駆け付けたんだ?と思うかもしれません。

それは私が勘違いしたバカだからです。

実は総合格闘技をやっていた時期があって何でも有りのルールで素手で顔面を殴り合うような試合とかも出ていました。

なので「ナイフくらいならどうにか出来るだろう」という楽観的な考えがあったのです。

喧嘩した相手が持ってたこともありますしね。脅しに使ってただけですが。

そのせいで余計に「本当に刺されることはないだろう」という思考につながっていました。

でも知り合いの警察官に言ったら「そういう奴が真っ先に刺されるんだよ!さっさと110番しろ」と怒られました。

誰も通報しなかったことが傍観者効果

話が横道に逸れましたがここで起こった傍観者効果は何かというと「誰も警察に通報しなかった」ということです。

自分が公園に到着してから30分はそこにいました。

その間に警察は来ませんでしたしサイレンも聞こえませんでした。

閑静な住宅街なので夜は散歩している人の話し声も聞こえるほどです。

公園の周囲の家にいれば必ず叫び声とその内容は聞こえていたはずです。

でも誰も通報しなかったのです。

「きっと誰かが警察に通報しただろう」と思っていたのではないでしょうか?

私もそう思っていました。自分は取りあえず助けに入ろう、通報は他の人がするはずだと思っていたのです。

これこそまさに傍観者効果です。

心理学の教科書に載っていることって本当に起きるんだ!と思いました。

ちなみにこの事件に遭遇したのはちょうど3年前です。

なぜ記憶が鮮明なのかというと記録として詳細に書き留めておいたからです。

心理学に関係しそうな出来事を体験したときはいつも記録しています。

実はこの出来事には後日談があります。

それについては後で書きたいと思います。

後日談を追加しました⇒「田舎で噂話がどのように広がるのか実験した結果

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