睡眠は脳の回路を再編成するために重要なプロセスです。
特に急速に脳が成長している子供にとっては必要な睡眠時間が確保できないことは問題行動につながりかねません。
また勉強に関わるであろう認知能力についても十分な睡眠が取れている子供と比べて劣ることが研究からも分かっています。
夜遅くまで起こしている保護者は気をつけたほうが良いです。
睡眠時間が7時間未満の子供は問題行動のスコアが53%高い
イギリス・ウォーリック大学は睡眠についての調査を行い9歳から11歳までの子供11,000人のデータを参照しました。
それによると睡眠不足はうつ病、不安、衝動的行動、および認知能力の低下に関連していることが分かりました。
睡眠時間が7時間未満の子供は問題行動を起こす可能性が53%高まりました。
認知に関するスコアは睡眠時間が9〜11時間の子供と比べ7.8%低いことが分かりました。
また睡眠時間の短い子供の脳内の特定の領域の容積が小さいことも発見しました。
具体的には眼窩前頭皮質、前頭前野および側頭皮質などです。
これらは意思決定、言語、記憶に関わる領域です。
東大生は幼児期に20時前に寝ていた人が多い
日本の子供は世界的にみても夜更かしすることで有名です。
特にスマホを持つようになってからはSNSや動画などに何時間も費やします。
現在の子供の4人から5人は何らかの睡眠の問題を抱えているといわれています。
22時以降に就寝する子供の割合も年々増えています。
「東大生は幼児期に20時前には寝ていた」などのアンケート結果が発表されることもありますが睡眠は健康および能力にとって非常に重要です。
人間は夜になりホルモン物質のメラトニンが分泌することで眠くなります。
そして太陽の光によってこの分泌がストップするため起床するのです。
体内時計もこれに合わせて動くようになっています。
実は夜でも明るい光によってメラトニンの分泌はストップします。
それにより体内時計のリズムが狂うことがあります。
すると精神的にも肉体的にも不調に陥りやすくなります。
優秀な子供に育てたいなら夜遅くまで無理に勉強させるよりも早く寝かせたほうが良いかもしれません。
参考文献:University of Warwick. (2020). Children’s mental health is affected by sleep duration.