起業家が言う「会社は自分の子供のようなもの」は本当だった

起業家が言う「会社は自分の子供のようなもの」は本当だった

企業が投資ファンドなどに買収を仕掛けられたり、敵対的でなくとも売却を決めたときなどに創業者が「自分の子供を手放すようで苦しい」と述べたりします。

私のような凡人からすると「買収はされるけれどあなたの株式を売却したら何億円も手に入るのだから本音ではラッキーと考えているのでしょ?」と思ってしまいます。
要するに残される従業員や世間に対するパフォーマンスなのではないか?という疑いが生じてしまうわけです。

しかしある研究によると起業家が会社に対して持つ愛情は親が子供に対して持つそれと同じであるということが示されています。

MRIで脳を見ると?

ヘルシンキ大学が起業家と父親を集めて行った実験があります。

この実験では父親に自分の子供と知っている子供の写真を見せました。
起業家には自分の会社と知っている他社の写真を見せました。
そしてMRIでそれぞれの脳活動を調べました。

すると父親が自分の子供の写真を見たときは後帯状皮質、側頭頭頂接合部、背内側前頭前野の働きが抑制されることが分かりました。
ここは自他の区別や心の理論と言われる相手の意図を読む能力に関係する部位を含みます。
(別の実験では母親でも同じ反応が起こることが分かっています)

そして自分の会社に愛着を持っていると答えた起業家でも同じ反応が見られました。
つまり「会社はわが子も同然」というのは決して大げさな表現ではないということです。

愛が判断を誤らせる

親が子供を可愛がり過ぎたせいでダメな大人に成長してしまうというケースはよくあります。

これと同じことが会社でも起こります。

上記の実験で示された脳内の部位が制御されるからかは分かりませんが会社に対する過度の愛情が判断を誤らせるのです。

市場を読む能力や判断力が衰えているのにいつまでも社長に居座ったり、破産するまで増資を受け入れないという行動がその典型です。
部下のほうが正しい意見を言っているのに全く聞く耳を持たないというのもそうでしょう。

もちろんプライドがそうさせてしまうケースもありますが、愛情の強さが原因となることもあります。

もしあなたが起業家なら会社を愛しすぎて周りが見えなくならないように気をつけてください。

参考文献:Marja-Liisa Halko,Tom Lahti,Kaisa Hytönen,Iiro P. Jääskeläinen(2017)Entrepreneurial and parental love—are they the same?

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