エロトマニア(クレランボー症候群)とは?

エロトマニア(クレランボー症候群)とは?

エロトマニアとは特定の相手から自分が愛されているに違いないという妄想を持つ精神疾患です。

研究したの医師の名前からクラレンボー症候群と呼ばれることもあります。

男性よりも女性に多いとされストーカー事件などに発展することもあります。

妄想を抱く相手は自分よりも立場が上とされる人物、特に有名人などの社会的地位の高い人物であることが多いです。

エロトマニアの特徴

エロトマニアの特徴としては相手が自分に好意を抱いているという確信的な妄想を抱いているということです。

この場合に自分が相手に対して好意を持っているかどうかは意識していないことがあります。
相手が一方的に自分のことを好きなのだと錯覚していることもあるのです。

たとえそれが一度も会ったとこのない相手であってもです。

エロトマニアは知り合いではないけれど毎日見かける相手に妄想を抱くこともあります。
すれ違ったときに目が合っただけで好意のサインと思い込んでしまったりもします。

また相手が拒絶したり逃げ出したりしても嫌われていると考えることは少ないです。
他の誰かに邪魔をされているからとか、好きだから避けているのだと勘違いすることがあります。
ハッキリと拒否してもそれを言葉通りに解釈することはできません。

エロトマニアの妄想を持つ人が求めるのは肉体的な関係よりも精神的な結びつきであることが多いです。

1人に執着するか?複数か?

エロトマニアは妄想性障害の一つとされています。( DSM5:精神疾患の診断・統計マニュアル による分類)

正式なものではありませんがさらに細かく分けることもできます。

それは執着する相手の人数とその程度による分け方です。

1人に執着する

このタイプは1人の相手に対して強い妄想を抱きます。
その内容は恋愛に関するものに限定されることが多いです。
本人の性格による影響を受けやすいとも言われ、自信はないけれどナルシストといった特徴を持つ人が多いとされています。

エロトマニアのことを「クレランボー症候群」と呼ぶこともありますが、その場合には純粋型のみを指すこともあります。

限定されないタイプ

エロトマニアが妄想を抱く相手は1人とは限りません。
同時に複数であったり短期間で対象が変わることもあります。
このタイプは空想の時間が長くそれに対応して行動に移す可能性は低くなります。
対象が実在の人物ではなく、空想上の人物のこともあります。

その他の分類方法

その他の分類方法としては相手が自分のことを好きに違いないと錯覚する「純粋色情狂」と、恋愛感情やストーカー行為が制御できない「精神自動症」に分けることもできます。

クレランボーの研究

フランスの精神科医ガエタン・ガチアン・ド・クレランボーの研究によればこの症状は40代の女性に多く見られるとされています。患者の7割とも言われます。
(他の論文では30代が多いとされることもあります)

1921年にクレランボー医師が発表した女性患者たちにはいくつかの共通点が見られました。
具体的には以下のような特徴です。

  • 相手が自分に惚れているという妄想
  • ステータスのある人物と結ばれたいという欲望
  • 拒絶された場合の暴力・ストーカー行為
  • 上記の行為に対する罪悪感の欠如

余談ですがこのクレランボー氏も実はエロトマニアの持ち主だったのではないかと言われることがあります。
過剰な収集癖や旺盛な異性関を持っていたとされるからです。
最後は銃によって自らの命を絶っています。

妄想が進行するとどうなるか?

エロトマニアの妄想が進行すると現実を歪めることがあります。

付き合っていると思い込んだり、性的関係を持ったと信じたりします。
さらに妊娠をしていると思い込むことさえあるのです。

エロトマニアが起こした事件

1995年の5月にホームレスのロバート・デューイ・ホスキンスが「自分は歌手のマドンナと結婚する」という妄想に取り付かれました。

そしてマドンナの自宅の壁をよじ登りセキュリティと揉めました。
その後も何度かやってきて「自分と結婚しなければマドンナの首を切り裂く」と脅迫しました。

その後逮捕されましたがこの犯人はエロトマニアと考えられています。

この裁判にマドンナ自身も出廷して証言を求められましたがそこにいる間は気分が悪くなり、ストーカーが家にいるという悪夢にもうなされました。

犯人は禁固10年の刑に処せられました。その後に釈放されましたが警察と揉めて逮捕され精神科施設に入所させられました。

そこからも脱走して警察に確保されました。
その捜索中に警察からは投薬をしていない状態では異常をきたし危険なため注意するようにと周辺住民に注意喚起されました。

ボーダーライン・エロトマニア型妄想性障害

エロトマニアと似たようなものにボーダーライン・エロトマニア型妄想性障害があります。

精神科医のリード・メロイによれば「相手もいつか自分の愛情に応えてくれる」という強い妄想を持つ人のことです。。

エロトマニアと異なるのは相手の接触があるということです。
それによって過剰に執着するようになるためストーカー化する可能性が高くなります。

統合失調症との関係

統合失調症にも妄想という特徴があります。
特に多いのは周囲の人間が自分を攻撃しているだとか陥れようとしているといったものです。

統合失調症とエロトマニアは別のものですが両方が併発する人もいます。

エロトマニアの原因

エロトマニアのはっきりとした原因は分かっていません。

精神病の一つですから脳機能の問題であることは確かでしょうがなぜそれが起こるのかは特定できないのです。

自己のアイデンティティーが確立できないために他者を通じてそれを獲得しようとしている可能性が挙げられることもあります。

エロトマニアの治療

エロトマニアは何年にも渡って強い妄想を持ち続けます。

相手からハッキリと拒否されてもそれを受け入れません。

病院への入院や刑務所への収監により物理的な距離を取ることが必要とされます。
もしくは別の対象を見つけることです。

精神病薬によって改善することもありますが根本的な治療法は見つかっていません。