顔の造りよりも表情が大事と言われることがあります。
人と会っているときは真顔でいることのほうが少ないからです。
そして表情は相手の知覚に影響を与えます。
例えば、明るい顔をしていれば実際よりも若く見えることが報告されています。
反対に暗い顔をしていれば老けて見えます。
ミズーリ大学の実験
今回、ミズーリ大学のトレント・ウェストンらの研究によって表情と体型の認知について新たな発見がありました。
それは悲しい顔をしていると実際よりも太って見られるということです。
実験では44人の大学生に様々な表情をした人の顔写真を見せてその人の体型を判断してもらいました。
その結果、男性に限っては悲しいを顔している人のほうが太って見られる傾向がありました。
女性の場合も少しその傾向がありましたが統計上有意なほどではありませんでした。
悲しいのは太っているからだと認識された?
なぜこのようなことが起こったのでしょうか?
一つの仮説としては太っていることに対して社会が共通して持っている観念が挙げられます。
つまり「太っていることは良くないこと」という考えです。
これにより太っている人は自分が悪い状態と認識しているので悲しい顔をしているだろうというバイアスが生じているということです。
では太っている人は本当に悲しい顔をしているのかということですがその可能性はあります。
他の実験では周囲から太っていると思われていることを認知している人は自己肯定感が低くなりやすいことが分かっています。
そして自分の体型についての諦めが生じるので余計に自堕落な生活を送るようになり体重が増えてしまいます。
なぜ女性の場合は認識されなかったのか?
女性に有意な結果が出なかったのは悲しい表情というものが女性に関連付けられやすいものだからです。
男性が悲しい顔をすると珍しいので目立ちますが、女性の場合は目立たないため無意識に影響が排除されていたのです。
もちろんこれらは仮説に過ぎませんし別の理由があるかもしれません。
しかしどんな表情をしているかによって相手からの印象が変わることは間違いありません。
自分でも気づかないうちに暗い顔をしていないかチェックしましょう。
表情によって顔の造りも変化していきます。
参考文献:Trent Weston, et al. (2015). The effect of sad facial expressions on weight judgment.