嘘を繰り返すと本当になる!幻想の真実効果とは

嘘を繰り返すと本当になる!幻想の真実効果とは

人間の脳は嘘であっても繰り返し見聞きすると本当であると信じてしまうことがあります。
これを心理学で「幻想の真実効果」と言います。

政治家の演説や企業のコマーシャルなどでもよく使われるテクニックです。
フェイクニュースを信じてしまうのもこの効果の影響があります。

脳は簡単に処理できる情報を真実と思いたい

なぜ嘘でも繰り返されることによって信じてしまうのでしょうか?
それは脳の機能に原因があります。

脳は初めて聞いたことよりも2回目に聞いたことの方が処理が楽なので理解しやすくなります。
さらに3度目、4度目と繰り返されるとさらに容易になります。
すると簡単に理解できるということは本当のことなのだろうと思ってしまうのです。
脳はサボり癖があるので楽な方へと流されてしまうことがあるのです。

またその内容が自分の知っているものと一致していることも重要です。
「空を飛べる人間がいる」ということは自分の理解とは一致しませんから何度繰り返されても信じることはありません。
しかし「100m走で8秒台が出た」というニュースは世界記録が更新され続けているという知識があるのでたとえ嘘でも繰り返されると信じてしまうのです。

信じやすさに頭の良し悪しは関係ない

幻想の真実効果は1977年にテンプル大学のリン・ハッシャーらの実験により最初に示されました。その後の追試でも再現性が確認されています。

最近では2019年のハーバード大学のナディア・M・ブラシエらの実験によってもその効果が明らかにされました。

この実験では参加者に「世界最速の動物はチーターです」といったような文をいくつか見せました。
その中には本当のことと嘘が混ぜられています。
その後で真実かどうかの評価をしてもらったところ嘘の内容でも繰り返されることによって本当だと思ってしまう傾向が見られました。

この実験の結果には参加者の知性や認知スタイルの影響はありませんでした。
つまり頭の良し悪しに関係なく幻想の真実効果は起こるということです。

健康とダイエットに関する情報が危険なワケ

幻想の真実効果は他の情報に嫌気が差しているときや迷い、不安が生じたときにより起こりやすくなると言われています。

悩み事があるときにインターネットで情報を探す人は注意しなければなりません。

検索したときに出てくるサイトは正しい順で並んでいるわけではありません。
上位に表示させるテクニックがありそれを上手くやった順です。現在の検索システムでは信憑性は評価できないのです。

特にダイエットや健康に関する情報を掲載しているサイトは既存のサイトの内容を盗んで書いています。
それが繰り返されるため検索したときに1ページ目に出てくる記事の内容はどれも同じようなものになっているのです。

つまり間違った情報でもほとんどのサイトに書かれていると信じてしまう可能性が高いということです。

色々な人が言っているから本当だろうという考えは危険です。
せめて自分の健康に関わることだけでも科学的根拠を探す習慣を身につけましょう。

参考文献:Lynn Hasher,David Goldstein,Thomas Toppino(1977)Frequency and the conference of referential validity
Nadia M. Brashier,Emmaline Drew Eliseev,Elizabeth J. Marsh(2019)An initial accuracy focus prevents illusory truth

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