「負け組は自己責任!」美人とイケメンほど公正世界仮説を支持する

「負け組は自己責任!」美人とイケメンほど公正世界仮説を支持する

格差社会と言われるようになり勝ち組と負け組が明確になりつつあります。

そんな中、職業選択の自由が認められた資本主義社会においてお金を稼げないのはその人の努力が足りないからという考えを持つ人もいます。

このような考え方を心理学では「公正世界仮説」と呼びます。

ある調査によると社会的成功を収めている人だけではなく、美人やイケメンほどこの考え方を支持する傾向が強いことが分かっています。

公正世界仮説とは

公正世界仮説とは人間の行動に対してそれに見合った結果が返ってくるという考え方です。思考の偏重の一種とされています。

強烈な自己責任論にも結びつくものであり、犯罪被害者を叩いてしまう人に多くみられる認知バイアスと言われます。

たとえば性的暴行を受けた人に「そんな露出の高い格好をしているから」「夜に危険な場所に出掛けるから」などと言って非難することが該当します。

これによって「自分はそんな行動は取らないから襲われる心配はない」と安心したいともいえます。

またいわゆる勝ち組、負け組という思考にもつながります。

資本主義社会においてお金を稼げるのは自分が努力したからであり、稼げないのは本人が努力していないからという考え方がその典型です。

負け組なのは自己責任ということです。

公正世界仮説はあらゆる文化圏の人が持ち得るものです。

今の地位は自分の実力で手に入れたものだと思いますか?

ネバダ大学のシェーン・ウェストフォールらはおよそ400人の学生に公正世界仮説を支持するかという調査を行いました。

調査項目の中には「今の地位は自分の力で手に入れたものだと思いますか?」「不幸な境遇にいる人はその人の行動の責任だと思いますか?」といった質問が並んでいました。

これらの質問に対して見た目の良い人ほど同意することが分かったのです。

見た目の評価については自己評価のときと他人から評価したときの両方のシチュエーションで当てはまりました。

なぜ美人とイケメンは世界が公正と思うのか?

なぜ見た目の良い美人とイケメンほど公正世界仮説を支持するのでしょうか?

それは本人たちが現実の世界で良い思いをすることが多いからです。

心理学の世界でも美人は得をするという実験結果は複数あります。

例えば電話ボックスの中に小銭を忘れた場合、次の人が通話を開始していても美人ほどすぐに返して貰えるということが分かっています。

美人でない人の場合は「俺の電話が終わるまで待ってろ」という態度を取られてしまうこともあります。

他にも信用されやすいとかお店でオマケしてもらいやすいとか有利なことがたくさんあります。

それを自分の行いが良いからであると考えがちなため「世の中は行いに対して相応の結果が返って来る」という信念を持つのです。

参考文献:R. Shane Westfall, et al,(2018)The Influence of Physical Attractiveness on Belief in a Just World