マタイ効果:経済と教育の格差を生み出す仕組み

マタイ効果:経済と教育の格差を生み出す仕組み

マタイ効果とは立場の強い人は環境や条件が有利なためますます有利な立場を得るが、弱い立場の人はその反対のことが起こるという現象のことです。

イングランドの詩人パーシー・ビッシュ・シェリーが言った「金持ちはより金持ちに、貧乏はより貧乏に」という格言によって説明することもできます。

言葉の由来はマタイの福音の「持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」という教えです。

アメリカの社会学者ロバート・キング・マートンが提唱しました。

同じ研究でも名声を得ている人が評価される

マタイ効果はもともと科学社会学の研究分野での現象を説明するものでした。

科学者の世界では同じような研究をしていても名声を得ている人のほうが評価されやすい傾向にあります。
そして評価されることでさらに立場が良くなりますからより良い環境を得たり情報にアクセスできるようになります。

このサイクルを繰り返すことで雪だるま式に成果を得られるということです。

教育

マタイ効果は研究以外の分野においても見られる現象です。

教育の分野においては一定時点までに獲得した能力がその後の学習に影響を与えます。

例えば読解力の高い子供はより多くの書籍に触れることでさらにその能力を伸ばすことができます。
しかし読解力の低い子供は読むという行為そのものを苦痛に感じてしまうと能力を伸ばす機会を失います。

そして出来る子と出来ない子の格差がますます広がっていくのです。

経済格差

「お金は寂しがりやだからたくさん集まっているところにやってくる」と言われることがあります。

これもマタイ効果の一種です。

富裕層と呼ばれる人たちには独自のネットワークが存在しそこでしか手に入らない情報が共有されます。

例えば慶應大学には業種ごとのOB会が存在しそこの中で情報交換や取引が行われることがあります。
先日もテレビで不動産関係者のOBが集まり取引をまとめる様子が放映されていました。

情報以外にも元手となる資金や設備を持っているため有利な状態からビジネスを始めることができます。

同じ金額を稼ぎ出すにしてもお金持ちと貧乏な人ではかかる手間に大きな差があるのです。
こういった事情が重なることで経済格差が広がります。

世帯収入は連鎖する

長い時間軸でみると家庭にもマタイ効果が当てはまります。

「東大生の親も東大卒」とか「東大生の親の平均年収が最も高い」という話を聞いたことはないでしょうか?

これこそが生まれながらに持っている立場の違いの表れです。

親が優秀な大学を出ていれば勉強を教えてもらえるだけではなく、自分もそれくらいのところには入学できるだろうと自信を持つことができます。

そして実際に優秀な大学に進学すると良い就職先に恵まれますから収入も高くなるのです。

生まれてくる子供にもお金をかけることができますから同じように恵まれた環境を引き継ぐことができます。

相続すべき財産がなかったとしても世帯収入が連鎖するのはこういった仕組みです。

これとは反対に親の学歴や収入が低いと貧困が連鎖するのです。

ではこの連鎖を断ち切るにはどうすれば良いでしょうか?

それは「どうせ自分は何をやってもうまくいかない」という思考を疑うことです。
現在は個人でも稼ぎやすい時代です。やるかやらないかだけの違いです。

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