パソコンとスマホで消費者の購買行動が変化するのは画面の大きさの問題ではない

パソコンとスマホで消費者の購買行動が変化するのは画面の大きさの問題ではない

私たちが消費者として選択をするときパソコンを使うかスマホを使うかによって満足度が変わる可能性があります。
同じeコマースサイトを閲覧していても異なるものを買うかもしれないのです。

この購買行動の変化は画面が小さくなって目に負担がかかるからではありません。
スマホの扱いに慣れていない高齢者が全体の平均を下げているということでもありません。

レイアウトだけではなく情報量も変化している

パソコンとスマホでは同じURLにアクセスしても表示されるデザインが変わります。

これはレスポンシブルウェブデザインといって閲覧者の機器によってレイアウトやフォントを変化させる仕組みが備わっているからです。
パソコンのデザインをそのままスマホに表示させてしまうと文字が小さくなって読みにくくなってしまうためです。

近年のサイトはほとんどがこのテンプレートになっています。たとえ無料ブログでも同様です。
かなり昔に作られて改修していないウェブサイトでもない限りはスマホでもパソコンと同じ表示になるということはないでしょう。

またグーグルなどで検索した際の表示順にも影響を与えるためほとんどのネットショップはレスポンシブルウェブデザインとなっています。

レスポンシブルウェブデザインはパソコンとスマホで異なるデザインを見せているだけではありません。
情報量も変化していることがあります。
たとえばパソコン画面ではサイト内の検索結果画面に詳細な説明も掲載していますが、スマホ画面では3行ほどに省略していたりします。
全ての説明を読むためにはもう一度クリックしなければなりません。

この違いが人間の感じ方や選択に影響を与えている可能性があります。

スマホで選ぶと好みから外れる

ネット上でサービスを選択したり商品を買うときにパソコンを使うかスマホを使うかで消費者の行動に変化が生じる可能性を調べた研究があります。

イスラエルのネゲヴ・ベン=グリオン大学のリオル・フィンク教授と同大学院の学生ダニエル・パピスメドヴは架空のホテルサイトを使って実験を行いました。

サイト内の検索結果における重要な項目の表示数を変化させることによって選択に変化が生じるかを調べるというものです。
重要な項目というのは宿泊料金や市街地からの距離等です。

パソコン画面には重要な項目を8個、スマホ画面には3個表示されるようにサイトをデザインしました。
どちらもクリックすることで全ての情報を閲覧することが可能です。

この実験の結果、パソコン画面を提示された人たちよりもスマホ画面を提示された人たちのほうが本来の好みとは合わない選択をする傾向が高かったことが示されました。

ただし、スマホ画面を提示された人たちも最初に表示される項目が選択にとって重要な項目だった場合には正確な選択が出来ました。

この実験の協力者はイスラエルの大学の工学部に通う学生で平均年齢は20代の前半です。
日本にいるとあまりイメージがないかもしれませんがイスラエルはIT先進国です。
つまりスマホの扱いに慣れていないからという要因は考慮する必要はないということです。

たった1クリックするかしないかだけの違いですが閲覧者にそれをさせるのは簡単なことではないのです。

自社サイトで表示されている情報は最適ですか?

ネットの予約サイトや通販サイトを利用して後悔した人の中には自分の選択が間違っていたのではなく、サイトが悪かったと考える人もいます。
すると悪い評判を流される可能性もあります。

ネット上でサービスを提供する企業はスマホ画面で表示される情報が最適なものになっているか見直したほうが良いかもしれません。
個別ページの上から3つ目までの項目がサイト内検索結果に自動表示されるという設定になっている場合などは質の低い内容が出てしまっているかもしれません。

また消費者として高価な買い物をするときはスマホではなくパソコンを利用したほうが良いかもしれませんね。

参考文献:Daniele Papismedov,Lior Fink (2019)Do Consumers Make Less Accurate Decisions When They Use Mobiles?

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