撮影すると記憶に残りにくくなるという実験(写真撮影減殺効果)

撮影すると記憶に残りにくくなるという実験(写真撮影減殺効果)

自分の体験を写真や動画に撮ると記憶に残りにくくなります。

プリンストン大学のダイアナ・タミール博士らは写真やビデオを撮影しながらイベントに参加すると記憶にどのような影響があるのか調べる実験を行いました。

実験では被験者にTEDトーク(著名人のスピーチのイベント)やスタンフォード大学内にある教会のセルフガイドツアーに参加して様々な記録メディアでそれを記録してもらいました。

実験の結果、記録メディアを使用した人たちはそうでない人たちと比べて自分のした経験に対する記憶が約10%劣っていました。
これは記録した後に他人とシェアしたかどうかは関係ありませんでした。単に保存しただけの場合も記憶に影響を与えていたのです。

なぜ実験のようなことが起こるのでしょうか?

理由として考えられるのは「写真撮影減殺効果」です。

簡単にいうと写真を撮ることによって記憶が失われるという効果です。
「保存したからまあいいや」と考えて覚えておこうとしなくなるのです。

上記と同じような実験ですがフェアフィールド大学のリンダ・ヘンケルが大学内の博物館で行った実験でもこの効果は明らかにされています。

博物館のガイドツアーに参加した学生に写真を撮るか自分の目で覚えるかしておくように指示しました。
そして翌日に内容を覚えているかテストしたところ写真を撮っていた学生のほうが展示物に対する正確な記憶が劣っていたのです。

ただし展示物の一部分をズームして撮影した学生たちの記憶はしっかりしていました。
つまり撮影しようとしまいと主体的に見ようとした学生の記憶は悪影響を受けなかったということです。

参考文献:Diana I.Tamir,et al(2018)Media usage diminishes memory for experiences.
Linda A. Henkel(2013)Point-and-Shoot Memories: The Influence of Taking Photos on Memory for a Museum Tour.