ピグマリオン効果(教師期待効果)とは:期待されると成績が伸びるのはなぜか?

ピグマリオン効果(教師期待効果)とは:期待されると成績が伸びるのはなぜか?

期待をかけられた人間は成果が出やすくなったり成績が伸びるという効果をピグマリオン効果(教師期待効果)と言います。

人間は期待されるとそれに応えようとするから成果が出るのでしょうか?
それとも期待を掛けている側が一生懸命にフォローをするから成果が出るのでしょうか?

ローゼンタールの実験

心理学者のロバート・ローゼンタールが迷路の実験で使うネズミを学生に渡しました。

このときにあるグループには「これは利口なネズミだよ」と言って渡しました。
別のグループには「これはノロマなネズミだよ」と言って渡しました。

どちらも能力には差のないネズミでしたが、利口とされたネズミの方が迷路を学習するスピードが早かったのです。
利口とされるネズミを渡された学生たちは期待をかけて大切に扱ったことが原因と考えられました。

この実験結果からローゼンタールは同じことが人間でも起こり得るのではないかと考えました。

そしてある小学校で次のような実験を行います。
まず小学生に知能テストを受けさせます。

そして担任に「これは将来の学力の伸びを予測するテストである」と伝えます。
(※実際には一般的な知能テストなので将来の学力の伸びを予測することはできません)

そして知能テストの成績とは関係なく、ランダムに数人の児童をリストアップします。
そしてその児童を「将来的に学力の伸びが期待できる児童」として担任に伝えます。

それから何ヶ月か経過した後に再び児童たちに知能テストを受けさせました。
すると将来的に学力の伸びが期待できると伝えられた児童の成績が大きく伸びていました。

教師が期待をかけていたために成績が伸びたとローゼンタールは考えました。

ピグマリオン効果に対する批判

ローゼンタールの実験については有名なので知っている人もいると思います。
教師が児童に期待をかけることの重要性を説くためのエピソードとして用いられることもあるようです。

しかしこの実験データをよく観察すると期待された児童とそうでない児童で顕著な差が出ているのは1年生と2年生と4年生だけです。
他の学年ではほとんど変わりませんでした。

別の心理学者が同じような実験をしたときには再現性がなかったとも言われています。
そのためピグマリオン効果には批判もあります。

しかしローゼンタールはその後に何度も研究を行い効果を再現しています。
そもそもピグマリオン効果とは「期待をかけただけで効果が出る」というものではありません。

期待された児童がそれに応えるために努力したのではなく期待をかけた側の教師が特別扱いをしたから伸びたと考えられます。

期待している児童に対しては授業中に指名する回数が増えるかもしれませんし、質問されたときにより丁寧に答えるかもしれません。
そういったことを教師がたとえ無意識にでも行っていれば成績が伸びても不思議ではありません。

しかし実験に参加した児童の担任は学力が伸びると言われた児童が誰だったのか記憶していなかったとも言っています。

ローゼンタールの行った実験を現在において再現することは難しいでしょう。
当時ですらその手法に対する批判はありましたし、教育に携わる人間の多くはこの実験を知っているからです。

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