サピオセクシャル:IQ(知能指数)の高さや知性に性的興奮を覚える人たちの特徴

サピオセクシャル:IQ(知能指数)の高さや知性に性的興奮を覚える人たちの特徴

サピオセクシャルとは恋愛対象となる相手の外見や性格ではなく、知性に惹かれる人を意味します。
日本語に訳すなら「知性愛者」とでもいったところでしょうか。

この性的指向のことをサピオセクシュアリティと言います。(性的指向ではなく性格の類型という人もいます)

頭が良い人が好きという人はいますがそれとは異なります。

サピオセクシャルは相手が知的な会話をしていることに性的興奮を覚えるのです。脳に恋をしているとも言えます。

一般の大多数の人が異性のセクシーな姿を見たときに感じるのと同じ感覚を知性や知能に感じるのが特徴です。

アメリカの心理学者ダイアナ・ラーブ博士はこれを「頭脳が最大の性器である」と表現しています。

サピオセクシャルにとっては哲学的、政治的、または心理的な議論こそが性交前の愛撫の代わりになると言う人もいます。

サピオセクシャルは比較的新しい概念であるため定義ははっきりとしていません。

知性や知能に性的興奮を覚えるのだから相手の性別に関係なく恋愛対象となるという人もいれば、異性愛や同性愛という性的指向に追加されるものと言う人もいます。

高いIQ(知能指数)を持つ人に魅力を感じることが多いですが、何を知性とするかは人によって異なるためサピオセクシャルの中でも定義が違うことがあります。

サピオセクシャルの診断テスト

英語圏で流行ったサピオセクシャルの診断テストを紹介します。
以下のチェックリストで7個以上当てはまる人はサピオセクシャルとされています。
4個以上はその可能性が有りで、3個以下は可能性なしということです。

  • 知的で深い会話は私を刺激するか、私をその気にさせるか、その両方をする傾向があります。
  • パートナーを探すときの条件としてインテリジェンス(知性)は常に私のリストの一番上にあります。
  • 白熱した議論は官能的なマッサージよりもエロティックです。
  • 私は人生に対して論理的で、知覚的で、洞察力に富んだアプローチを持つ異性が大好きです。
  • 私は彼らがどれほど機知に富んでいて好奇心が強く、精神的にどれだけ鋭いかに基づいて人に対する魅力のレベルを判断します。
  • 有名人のように外見的魅力の高い人であっても鋭い知性を持っていなければ恋心や魅力を感じることはありません。
  • 表面的な共通点のある人と繋がるよりも、複雑な議論を燃え上がらせることのできる人と関係を持つことを好みます。
  • 愚かな人々は私をとても苛立たせ落胆させます。
  • 私にとって最も美しく魅力的な人々とは活気があって洞察力のある人たちのことです。
  • 雄弁に話せることはセクシーな体を持っていることよりも重要です。

※英語のままだと日本人に馴染みのない単語もありましたので一部を意訳して翻訳しています。

IQ(知能指数)はいくつが最も魅力的なのか?

サピオセクシャルの人はIQの高い人が好きといっても高いほど良いというわけではないようです。

西オーストラリア大学のジル・ジニャック博士がサピオセクシュアリティの心理測定的評価というものを行いました。

383人を対象に行ったこの調査では恋人や配偶者選択において何を最も重視するか質問しました。
1位は優しさと理解力でした。次に知性、ユーモア、おおらかさと続きます。

特に知能の高さを重視する人もいたわけですがそこには上限が存在しました。

知能指数に比例して魅力も高まりましたがそのピークはIQ120でした。
これは人口の10人に1人ほどいる割合です。

そを超えると性的魅力は僅かに低下することが分かりました。

IQ130を超えてくるとギフテッドなどと言われることもあります。
MENSAなどの入会資格もこれくらいの指数が必要と言われます。

しかしパートナーとしての魅力はIQ120のほうが高いのです。

この調査では人口に対するサピオセクシャルの割合も算出しています。それによると18~35歳では1~8%が該当していました。

またサピオセクシャルは相手の高い知能に惹かれますが本人の知能の高低は関係ないことのほうが多いようです。

マーク・ロンソンのカミングアウトと謝罪

ブルーノマーズのプロデュースでも知られるマーク・ロンソンがグッドモーニング・ブリテンという番組で「自分もサピオセクシャルだと思う」といった内容の発言をしました。

それが一部で物議を醸し数日後には訂正して謝罪しました。

マーク・ロンソンとしては知能の高い人に魅力を感じるという意味でそういったつもりだったようですが、そこには「性別に関係なく」という条件がつく場合もあるのです。

サピオセクシャルを「相手の性別に関係なく知能の高さに性的に惹かれる性的指向」と解釈している人も少なくありません。

日本人の感覚としては分かり難いかもしれませんが外国では性的マイノリティでない人がそうであるかのようなカミングアウトをすると大問題になります。

サピオセクシャルはまだ定義が定まっていないため軽々しくアピールすることが批判の対象になることもあるのです。

問題点

サピオセクシャルの人が「知的な人と関係をもつことだけが恋愛の本質的な価値である」という思考を持つとしたら問題です。

なぜなら差別を助長しかねないからです。

知能指数の低い人間は関係を持つに値しないという極端な考えに走ることも考えられます。

自分自身のIQが低ければ自己肯定感を下げてしまう可能性もあります。

またIQと人格は比例しません。

IQが高い人の中には社会病質的な特性を持った人間もいます。

そういった人間に性的魅力を感じて関係を結んでしまったら幸せにはなれないでしょう。

サピオセクシャルの語源

私の調べたところよによるとサピオセクシャルという言葉が最初に使われたのは「LiveJournal」という意見や知識を共有しあうコミュニティサイトではないかと思います。

(個人的に調べたものなので断定はできませんが)1998年にwolfieboyというハンドルネームのユーザーの投稿で使われているようです。

その数年後に他のユーザーが話題にしたことで広がりました。

爆発的に広がるきっかけとなったのは「OKCupid」という出会い系サイトです。
このサイトが2014年に性的指向のリストに付け加えたのです。

現在では「Sapio」と呼ばれるサピオセクシュアル専用のデートアプリまであります。

サピオの語源は「味わう」「判断する」を意味するラテン語です。
これは「ホモ・サピエンス(賢い人間)」の語源にもなっている言葉です。

サピオセクシャルの特徴を持つ人は昔からいましたが言語化されたのは最近のことです。
これから研究が進めばさらに新しいことが分かってくると思います。

参考文献:Gilles E. Gignac, (2017)Some people are attracted sexually to intelligence: A psychometric evaluation of sapiosexuality.