自尊心の低い子供を褒め過ぎるとチャレンジ精神を失う(賞賛のパラドックス)

自尊心の低い子供を褒め過ぎるとチャレンジ精神を失う(賞賛のパラドックス)

子供の自尊心を高めるために褒めるというのは大切なことです。
親から否定ばかりされると学習性無力感によって「自分はできない人間」と思い込んだまま大人になってしまいます。

しかし自尊心の高い子と低い子では効果的な褒め方は異なります。
それにも関わらず多くの親が間違った方法を採用しているようです。

そのため子供からチャレンジ精神を奪ってしまうことがあります。
このような現象を「賞賛のパラドックス」と呼びます。

自尊心の低い子供ほど大袈裟に褒められている

スタンフォード大学は114組の親子を対象に褒め方に関する調査を行いました。

まず最初に子供の自尊心を測定する検査を行いました。
次に自宅にて親と12時間の数学の演習を行い、その後のテストでどれだけ良く出来たかを評価します。

この様子はビデオに録画され研究者たちはその中で親が子供をどのように褒めているかを観察しました。

親は「すごく良い」「ファンタスティック」といった言葉を使い平均で6回褒めることが分かりました。
そのうち約25%は大袈裟な賞賛と判断される内容でした。
そして自尊心の低い子供に対して特に大袈裟に褒めていました。

褒めることで子供の自尊心が高まるという知識がそういった行動を促進しているためと思われます。

過度な賞賛によりチャレンジしなくなる

子供を大袈裟に褒めたら「自分はできる」という気になるのでしょうか?

それを調べた実験もあります。

この実験では240人の子供がゴッホの『ワイルド・ローズ』という絵を模写しました。

その後でメモの形でプロの画家からの評価を受けます。

評価方法は以下の3つが準備されています。

  • 大袈裟に褒める
  • 普通に褒める
  • 何もしない

メモを受け取った後でまた別の絵を描くように言われます。

そのときに簡単な絵と難しい絵から好きなほうを選ぶことができます。

選ぶときに簡単な絵については「簡単だけれど学びはない」と言われます。
難しい絵については「難しいので失敗するかもしれないが学びは多い」と言われます。

その結果、大袈裟に褒められた自尊心の低い子供は簡単な絵を選びました。

反対に大袈裟に褒められた自尊心の高い子供は難しい絵を選びました。

失敗できないというプレッシャーが生まれた

なぜ大袈裟に褒められた自尊心の低い子供はチャレンジしなかったのでしょうか?

それは失敗することを恐れたからです。

過度な賞賛をされたことによって常にその水準で成功し続けなければならないというプレッシャーを感じてしまったのです。
そのため失敗の可能性が低い簡単なほうの絵を選んだのです。

このような賞賛のパラドックスを起こさないようにするためにも褒めるだけではなく、失敗しても全く問題ではないということを教えてあげる必要があります。