おじさんはなぜ面白くもないおやじギャグを言うのでしょうか?
その理由は脳機能の老化にあります。判断力を担う部分の能力が落ちているので空気を読まずに寒いダジャレを言ってしまうのです。
それによって嫌われるなどということは想像もしません。
あまりに異常な場合は「遊戯症」という依存症の可能性もあります。この場合は若い人でも該当します。
なぜおやじギャグが思いつくのか?
今さら意味を説明する必要もないかもしれませんがおやじギャグとは主に中高年以上の男性が言う安直なダジャレや冗談のことです。
例えば「ダジャレを言うのはだれじゃ?」とか「コーディネートはこうでねえと」のようなつまらないものです。
なぜこのような空気の読めないことを言ってしまうのでしょうか?
それには脳の仕組みが関係しています。
おやじギャグもダジャレもそれを言うには連想記憶というものが関係します。
これは一つの物事からそれに関連するものを思い出せる能力です。
たとえば「ニューヨーク」といったときに「入浴」という似た音の言葉を連想できるようなものです。
この連想記憶は50代まで伸び続けると言われています。
つまりおやじギャグに関係する能力はこの年代が最も高いということです。
言わずにはいられないのは脳の老化
とはいえ「ニューヨークで入浴」くらいのダジャレは若者でも思いつくものです。
しかし若者はそれを敢えて口に出すようなことはしません。
なぜなら場の空気を読むからです。この能力は脳の「前頭葉」というところが担っています。
前頭葉の機能は年齢を重ねると落ちてきます。
つまりおじさんになると理性的な判断を下す能力が落ちてしまうため、ダジャレが思いついたら言わずにはいられなくなってしまうのです。
おじさんがおやじギャグを言うのは脳の老化の影響なのです。
おやじギャグに限らず言わなくても良い一言を発してしまうことがあるのも脳の老化の影響です。判断力が落ちているのです。
言葉のお漏らしが始まってしまているのです。
おやじギャグを言っているときの心理
おやじギャグを言っている人はどのような心理なのでしょうか?
例えば周囲の若者から無視されたり「さむーい」と言われたときにどう感じるのでしょうか?
このときに空気を読まずに申し訳ないことをしたなどと思う人は滅多にいません。
多くの人は「皆シラけた態度をとりつつも俺のことを場の空気を和ませる面白い人だと思っているに違いない」という盛大な勘違いをしています。
周りの人間をイライラさせているということには気づかないのです。
だから頻繁に面白くもないおやじギャグを連発するのです。
彼らは医者や科学者のような権威のある人から冷静に説明されない限りは自分のつまらなさに気がつくことはありません。
「面白い人と思われたい」という欲求を持っている人は多い
新聞を読んでいてとても驚いたことがありました。
なぜなら広告欄に『絶対にウケるダジャレの本』のようなタイトルの書籍が載っていたからです。
どういうものかというとまさにおやじギャグがたくさん載っているネタ本のようなものです。
いくつか例文が載っていましたが「布団が吹っ飛んだ」レベルの寒い内容でした。
広告に載せる例文がこれほどつまらないのですから中身は推して知るべしでしょう。
何が驚きかというとそれが全国紙の広告に載っていたということです。
決して安くはない料金を支払っているはずです。
それでも元がとれるということはそれを買う人がかなりの人数いるということです。
世の中にはお金を払ってネタ本を買ってまで面白い人と思われたいという人が予想以上に多いのです。
遊戯症(ジョーク依存症)
中高年に限らず若者でもあまりに頻繁におやじギャグや冗談を言っている人は「遊戯症」という依存症かもしれません。
ジョーク依存症と呼ばれることもあるのですが前頭葉の損傷を原因として発症する障害です。
前頭葉と快楽中枢との信号の一部が阻害されなくなってしまうのです。
そして自分の頭に浮かんだ思考がドーパミンを分泌させることで面白くて仕方なくなってしまう状態です。
それにより常に面白い(と自分で思っている)ことを言い続けてしまうのです。
遊戯症の厄介なところは自分の発言には大ウケすることが出来ても他人の言ったことには全く面白さを感じないということです。
空気を読まずに鬱陶しいくらいに冗談ばかり言っている人がいたら遊戯症かもしれません。
おやじギャグにどう対応するか?
身近な人がおやじギャグを言ってきたらどう対応すれば良いのでしょうか?
それは温かく見守るという方法しかありません。
面白くないおやじギャグを連発するということは老化が始まっているか遊戯症ということです。
どちらにせよ正常な脳の状態ではないのです。
そう分かればイライラせずに優しい眼差しを向けることができるのではないでしょうか?